男子とかけっこで勝負したり、運動会の騎馬戦で大将を務めたりと、小学校の時は男のコさながらに活発なコでしたね。週7で公文にお琴、空手に消防団と多くの習い事もしており、親からは箱入り娘として育てられていました。世間的にはちゃんとしたお家でしつけの行き届いたいわゆる「いい子」だったと思います。学校でもクラスの中心にいるタイプで明るく社交的な印象だったと思うのですが、内心は人見知りで、狭く深い人間関係の方が心地よいと感じながら外面だけの人付き合いをしていた気がします。小学校卒業後は、受験をして私立の中高一貫校へと進学したのですが、段々と縛られたくない、大人は嫌いとそれまでいいコだった反動のように反抗期を拗らせていったんです。高校生くらいになると友達の家に泊まるようになり、家にもあまり帰らなくなっていました。だからといって特別何か悪さをするっていう訳でもなく、ススキノのマックで友達と集っていただけなんですけどね。そんな毎日を送っていたところ、ついに高2の時、普段は母に任せてあまり口出しをしない父のお説教を受けることになりました。そして心を入れ替えきちんとするか、家を出るかと決断を迫られ、じゃあ家を出ると言ってしまったのです。そんな私に対して、父は社会に出ること、レールから外れて生きていくことの大変さを真剣に伝えてくれて、それでも私の意思が変わらない事がわかると、「自立するならちゃんと正社員で働きなさい」と条件を出して来ました。私もとにかく親の保護下にいるのが嫌で仕方がなかったので、通信機器の会社に必死で頼み込み、3ヶ月で結果を出せたら正社員登用されるという条件で入社したんです。そして1ケ月後、成績1位になり無事、正社員に。会社も学校の先生たちも協力してくれて、途中から通信制に移行させてもらったことで、学校も卒業することができました。仕事と学校の両立は大変でしたが、仕事で数字を追いかけるのは性に合っていましたし、楽しかったですね。
一人で結果を追い続けるより
人を大切に居場所づくりをしていきたい
箱入り娘が反抗期を機に早めの自立の道へ
ススキノデビューから独立
仲間の大切さに気づく
ススキノで働き始めたのは19歳の時です。友達が働いていたパブスナックで、友達を介してスカウトの方と仲良くなってしょっちゅうご飯を奢ってもらっていたので、断りきれずにといった感じで消極的なスタートでしたね。当時は正直、ホステスという職業に偏見を持っていましたし、だから1年くらいずるずると体験入店という立場のまま本腰は入れずにいました。でも実際、働いていくうちに、自分を売り込んで数字を追うというのは昼の営業と一緒だと気づき、やるなら1番になりたいと思うようになりました。結果、パブスナックで2年半、ニュークラで1年半働いたのですが、この時期に学んだことは大きかったです。最初は友達作りに来ている訳じゃないから、周りと親しくする気もないし、自分が頑張っていればそれでいいという考えで待機中も誰とも話さず一人で過ごしていました。でも本気で目標に向かって結果を出していこうとすればするほど、仲間が大切だということに気づいたんです。それからは、ちゃんと人と向き合っていけるようになった気がします。そして24歳の時に独立し「おばんざいバー きちのせ」をオープンしたのですが、従業員を雇用することで、これまで自分を雇ってくれた経営者の方々の気持ちが分るようになった気がしました。独立してみてこれまでお世話になった方々の深い愛情に気づかされましたね。
「人の居場所をつくりたい」経営者としての自覚の芽生え
経営者としての自覚が芽生えたのは、昼のお仕事と掛け持ちで働いているバイトの女のコに言われた言葉がきっかけでした。その子は家庭環境に問題があり、一見やさぐれているように見えるんですが根はいいコで、「お店の温かい雰囲気が好き、ここが自分の家庭のように感じているから、ずっとここで働きたい」って言ってくれたんです。自分でも人の居場所をつくれるんだっていうのは嬉しかったし、自分自身も居場所がないと感じて生きて来たので、「人の居場所をつくっていきたい」と想いが固まりました。それで10ヶ月後に「ワインカフェきちのせ」、3年後に「スターレイン」をオープンしました。「スターレイン」は全国で初めてバリアフリーのラウンジとしてオープンしました。バリアフリーにしたのはスタッフのコたちと話をしていた時に保育士とか介護士とか人のお世話をする仕事がしたいっていう声が多かったんです。だったら、今からそういったことを意識した店作りをしてみようって思ったのがきっかけですね。結果、すごく喜ばれ感謝されるお店になりましたしよかったですね。その後、「プライベートラウンジきちのせ」をオープンし今に至ります。この先はみんながお母さんになったり歳をとったりして環境が変わってもかっこいい女性として働ける場をつくっていきたいです。

-
第1章
Funny企画 代表取締役 田中裕美子さん変わりゆく時代の先にも
「原価の愛」を伝えたい -
第2章
ららつー 代表 成田つららさん自分を証明したいという
想いから生まれた誇りある文化 -
第3章
bar reboot SECOND STAGE 代表 西川隆宏さん超自然体の今が一番幸せ!
すすきので楽しむ普通の日常 -
第4章
GAN BOX CLUB 岩本恭生さんコピー歌手から芸能界へ、
貪欲に好奇心を持ってススキノを元気に -
第5章
ニューラウンジ feel ママ 上原志保さんずっと楽しい、ススキノ大好き!
いつでもポジティブに誇り高く -
第6章
クローバー ママ 新居真由さん走り続けた日々
感謝の思いを胸に次のステージへ -
第7章
エンターテインメントショーパブ 大安吉日 in Stage オーナー 三橋琢磨さん波乱万丈の人生
ショーを通して紡いだ絆が生きる道と成長をくれた -
第8章
Serioママ 沼山洋子さん働きながら学んだ人生観
接客もボランティアも誰かを笑顔にできることは楽しい -
第9章
roots オーナー じゃいあんさんギラギラした夜の街に憧れ20歳から
変わらず今でもススキノが好き -
第10章
Star Rain オーナー 小林輝さん一人で結果を追い続けるより
人を大切に居場所づくりをしていきたい -
第11章
パブ&バー DNA susukino オーナー 坂田広之さんススキノと共に歩んで来た人生
「すきタン」の遺伝子で街を盛り上げていきたい -
第12章
スナックAPPROACHママ 明香さん人の出会いが醍醐味のスナックで
ずっとみんなとつながっていたい -
第13章
LOUNGE LUPINママ 藤原たくみさんマイペースでポジティブだからいつだってご機嫌
ススキノこそが私の生きる街 -
第14章
DJバー&サパー「CLUB 525」オーナー小山尚慎さん常に前を向いていく!
挑戦する背中で業界を盛り上げる -
第15章
New Lounge「ママちゃんち」ママ藤田佳弓さん自分にも他人にも求めた理想から生まれた
寛容でアットホームな現在 -
第16章
「ANTIQUE(アンティーク)」代表佐伯舞子さん目標に向かって積み上げて来たから
一番いい状態の今があります -
第17章
THRYLOS(トライロス)」代表宮本ジョジョさんフィリピン生まれススキノ育ち
国内、世界を回り新たな伝説へ