遊びに行ったススキノで、一夜のうちに売れっ子ホステスに
釧路出身なんです。子供の頃から活発で、いい意味でも悪い意味でも目立つ存在だったと思います。ヤンチャなところもあったけど、正義感は強かったんですよ。お年寄りを助けて新聞に載った事もあります(笑)。近所のおばあちゃんがひったくりにあってその犯人を捕まえたんですよ。犯人が家に入っていくところを見つけて通報して。凄いでしょ(笑)。
地元の高校を卒業してからは医療事務として地元で働いていました。でも、流れ作業のような毎日で、なんとなく満たされない生活を送っていた時に、お休みをとって札幌にいる友達のところに遊びに行ったんです。そうしたら、そのコがススキノのニュークラブ「ディーバ」というお店でバイトをしていて、興味本位で一日体験みたいな感じで私も働いてみたところ、自分で言うのもなんですけど指名がどんどん入って売れちゃったんです(笑)。だからその場で、ホステスをやっていこうって決めちゃいました。
その頃はお酒も飲めなくてちょっとずつ練習するような感じだったんですよ。今ではすっかりお酒、大好きですけどね(笑)。お客様も優しい人ばっかりで、接客って言うより自然体で楽しくお喋りしているだけって感じでしたが、これまでの生活とは一変して毎日が刺激的でしたね。だから、ここで頑張っていこうと決心したんです。それが23歳の時ですね。
目標だった「氷の女王」&「花魁(おいらん)道中」に
その後、スカウトされてニュークラブ「ペルセウス」に移籍しました。そこではかなりの向上心を持って頑張りました。
その結果、27、28歳の時に「氷の女王」と「花魁」と言う自分の中で一つのゴールとして設定していた称号を手に入れる事ができたんです。それは本当に嬉しかったですね。
だから、ススキノでは一旦、やれることをやり切ったかなと言う思いもあり、次の目標を見つける為に東京に行ったんです。
六本木と銀座のクラブで働いたんですが、客層も違うしシステムも違うし、なんか合わないなって感じて1年ちょっとでまたススキノに帰ってきたんです。戻ってきてクラブで働くことにしたんですが、次は自分でお店を持つことを目標に頑張ることにしました。だからお客様の情報を手書きのノートに整理して独立に向けて日々、積み上げる毎日でしたね。私、意外と努力家なんですよ(笑)
独立してみてわかった経営者の苦労
それから3年後、32歳の時に「アンティーク」をオープンしたんです。店をやろうって思った時から、ここ南興ビルでって言うのは決めていたんです。
分かりやすい立地だしお客様も来やすいだろうからって思って。だから、ここで始められて、今もここで営業できているのは誇らしい気分ですね。でも、始めはこれまで雇われていた時の感覚とは全然違って戸惑うことばかりでした。
だからとりあえず、今まで雇っていただいていた社長さんたちのところに謝まってまわりました(笑)。「ごめんね。今までわがままばかりで。今になって気持ちがわかるようになりました」ってね。
自分もこれまで色々、迷惑をかけてきたんだなって思いましたね。それでも最初はまぁよかったんです。
でも1年目くらいに子供ができて店に出れないようになり、現場を離れて経営をしないといけなくなった時にスタッフとの溝ができてしまい本当に大変でした。
そんな時に今まで働いてきたお店の社長さんや黒服さんが力になってくれて、いろんなアドバイスをもらったことで乗り切れたんです。
そこからいい具合に力も抜けて、スタッフにも寛容になりましたね。そうしたら自分も楽になったし上手くいくようになった気がします。
コロナも悪い事ばかりではなかった
コロナの時期はもちろん大変でしたが、そういう状況だからこそ新しいことにチャレンジしようと思いヨガの資格を取ったんです。
今はお店に出るのは週3回ほどで、昼はホットヨガのインストラクターとしていろんなスポーツクラブに行ってるんですよ。昼の活動が増えたことで心身共に良い影響を実感しています。
その時期に今の店長と出会ったことも大きいですね。任せられる店長ができたことで、大変な時期を乗り超えられたし、昼との両立ができるようになったから、悪いことばかりじゃなかったですね。
「アンティーク」は女性、男性、ご夫婦と幅広いお客様に安心して飲める店として来ていただいています。親しみやすいスタッフばかりで、皆さんに居心地がいいって言っていただけています。
8月には12周年を迎えるので、是非遊びに来てくださいね。